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【申込終了】(オンライン開催)第101回HGPIセミナー 「感染症の歴史から考えるAMR対策の今後~薬剤耐性(AMR)対策推進月間にあたって~」(2021年11月24日)

世界保健機関(WHO: World Health Organization)による「World Antimicrobial Awareness Week(WAAW)」、および内閣官房による「薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance )対策推進月間」に合わせて、日本医療政策機構は東京大学 医科学研究所附属病院 病院長/日本感染症学会 理事長 四柳宏氏に感染症の歴史をご説明いただきながら、今後の薬剤耐性問題について考えるべくHGPIセミナーを開催します。

抗菌薬の使用などにより細菌(病原体)が変化(薬剤耐性を獲得)することを薬剤耐性(AMR)といいます。これにより、既存の抗菌薬の効果が小さくなってしまうことがわかっています。薬剤耐性菌に感染すると、抗菌薬による治療効果が十分に得られず、全身の状態が悪い患者さんでは最悪の場合、死に至る可能性があります。日本国内では2種類の薬剤耐性菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌及びフルオロキノロン耐性大腸菌)による菌血症により年間約 8,000 人が死亡していると推定されています。

感染症はこれまで、各時代・地域で猛威を振るってきました。2019年には、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生し、これまでに全世界では新型コロナウイルス感染症により500万人以上が命を落としています。今回のパンデミックを経験し、人類は改めて感染症の影響の大きさを認識するに至りました。そして今、次の脅威として専門家が危惧している感染症こそがサイレントパンデミック といわれるAMRです。

抗菌薬は現代医療を根本から支えています。例えば、抗がん剤の投与中や臓器移植後、透析導入後といった細菌感染を起こしやすい状態の方をはじめ、手術、出産時など医療のあらゆる場面で抗菌薬が使用されています。このままAMR対策が取られなければ、抗菌薬の効果が十分に発揮されていれば助かるはずの命が救えなくなり、最終的に、WHOは2050 年には AMR による全世界の年間死亡者数は約 1,000 万人まで上昇すると予測しています。こうした背景から、2015 年のWHO総会で「薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プラン(Global Action Plan on Antimicrobial Resistance)」が採択され、日本でも 2016 年から「薬剤耐性(AMR)アクションプラン(2016-2020)」に基づき、AMR 対策が進められています。しかし、AMRアクションプランは2020年に期限を迎え、現在は次期アクションプランの策定が待たれている状態です。また、2021年6月に行われたG7保健臣会合等においては、各国の事情にあわせたAMR対策の重要性が指摘されており、日本のみならず世界において、より具体的なAMR対策の進展が期待されます。

こうしたAMR対策の高まりを受け、WHOは毎年11月18日~24日を「World Antimicrobial Awareness Week(WAAW)」として定めています。今年は「Spread Awareness, Stop Resistance」をスローガンとし、世界的に啓発活動や学修支援活動が予定されています。日本でも2016年から、内閣官房が毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」と定めています。また、当機構においてもAMR対策についてマルチステークホルダーで議論を行うための独立したプラットフォームを作るため、2018年よりAMRアライアンス・ジャパン事務局として活動をはじめ、(1)患者や医療現場の現状に沿ったAMR対策を実現し、(2)国内外のAMRアジェンダを推進し、(3)我が国のAMR政策を進展させるべく、政策提言活動や情報発信等を継続しています。

このAMRという健康危機に対処するために、当機構では改めて感染症の歴史的な背景を踏まえて今後のAMR対策について考えることが必要であると考えます。そこで今回のHGPIセミナーでは、AMRアライアンス・ジャパンメンバーでもある日本感染症学会の理事長を務めておられます四柳宏氏をお迎えしご講演をいただきたいと思います。四柳氏は、東京大学医科学研究所附属病院病院長として感染症研究の最前線でご活動されると共に、日本感染症学会理事長として今回のコロナウイルス感染症対策をけん引されています。

四柳氏とともに、感染症の歴史を振り返りながら改めて今後のAMR対策において必要なアクションについて考えを深めていきたいと思います。

 

■スピーカー:
四柳 宏 氏(東京大学 医科学研究所附属病院 病院長/一般社団法人 日本感染症学会 理事長)

■日時
2021年11月24日(水)18:30-19:45

■場所:
Zoomウェビナー形式

■参加費:
無料

■使用言語:
日本語のみ

■定員:
500名

■プロフィール:
四柳 宏 氏(東京大学 医科学研究所附属病院 病院長/一般社団法人 日本感染症学会 理事長)
1986(昭和61)年3月東京大学医学部医学科卒業後、東京大学医学部附属病院や聖マリアンナ医科大学等での勤務を経て、2016(平成28)年7月に東京大学医科学研究所先端医療センター感染症分野教授に就任。2021(令和3年)年4月より東京大学医科学研究所附属病院病院長を務める。主な専門は、感染症内科学(主としてウイルス性疾患)、感染制御学、肝臓病学、消化器病学。

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