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【お知らせ】「薬剤耐性(AMR)の脅威の高まりに対応するための実践的な打ち手の要求」に賛同(2024年5月1日)

日本医療政策機構 薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)チームは、2024年5月1日、政策提言「薬剤耐性(AMR)の脅威の高まりに対応するための実践的な打ち手の要求」に賛同いたしました。

本提言は、2024年9月に開催予定のAMRに関する国連総会ハイレベル会合を見据え、国連加盟国に対し、人間・動物・環境を一体として考えるワンヘルス・アプローチ(One Health)に基づく実践的かつ測定可能なAMR対策の打ち手に同意するよう要求するものです。今後の優先事項としては、以下10項目を挙げています。

なお、本提言は国連食糧農業機関(FAO: Food and Agriculture Organization of the United Nations)、国連環境計画(UNEP: United Nations Environment Programme)、世界保健機関(WHO: World Health Organization)および世界動物保健機関(WOAH: World Organisation for Animal Health)によって共同で運用され、当機構も参加している「薬剤耐性(AMR)マルチステークホルダー・パートナーシップ・プラットフォーム」によって作成されています。


  1. 効果的かつ分野横断的、透明、包括的、多国間、学際的な、マルチステークホルダーによる調整、コミュニケーションおよび継続的なフォロースルー(follow-through)を通じて、AMRに関するワンヘルス協力を強化する。
  2. 各国の状況、能力、体制を踏まえ、AMR国家行動計画(NAPs: National Action Plans)の実施を加速する。
  3. 研究、インフラストラクチャー、AMR NAPsの実施に持続可能な資金を動員することにより、AMRへの取組能力を強化する。
  4. 感染予防と管理(IPC: Infection Prevention and Control)、適正使用(スチュワードシップ)プログラム、水・衛生(WASH: Water, Sanitation and Hygiene)、ワクチン接種、早期発見と早期治療、大気・水・土壌・食品・媒介物の環境管理など、包括的な一次予防・二次予防戦略を通じて保健システムを強化し、ヒト・動物・環境の健康を向上させる。
  5. AMRに対するワクチン接種の影響に関するエビデンスを蓄積し、既存のワクチンへのアクセスと利用を増加させるメカニズムを開発し、規制経路を改善し、市場認可を促進し、部門や国を超えて製品を流通させることにより、ワクチン接種などの予防手段をより効果的に活用する。
  6. セクターごとのAMRと抗菌薬使用(AMU: Antimicrobial Use)の動向調査・監視(サーベイランス)を強化し、AMRのリスクと影響を軽減するためのエビデンスに基づく行動のための統合サーベイランスを構築する。
  7. 動物の健康と福祉を最適化しながらAMUを大幅に削減するために、農業食品システムを変革する。
  8. 農村部を含め、ヒトと動物のための質の高い必須医薬品、ワクチンおよび診断薬への普遍的で公平、安価かつ持続可能なアクセスを確保する。
  9. 高所得国およびその他の利害関係者に対し、持続可能な抗菌薬の研究開発(R&D: Research and Development)に始点から終点までのエンド・ツー・エンド(end-to-end)で取り組むことを約束するよう奨励する。これには、世界的に優先される病原体を対象とした新たな治療法やツールを提供するために必要なグローバルな研究開発努力を促進するための、プッシュ型およびプル型のインセンティブへの公共投資を増やすことも含まれる。
  10. AMRの環境的側面の要因、発生源、課題を予防し、対処する。

 

なお、当機構の薬剤耐性チームからも、本提言の内容最終化においてフィードバックをさせていただきました。この提言の原文(英語)は、こちらをご覧ください。

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